ZOROPPE

いつもじぶんにごくろうさん

四十歳の見た目

ここのところ仕事が忙しく、疲れがだいぶ溜まっている。

仕事帰り、電車内の窓ガラスに映った自分のツラをふと見て「あれ? 四十のおっさん……?」とがっかりしたほどだ。いや、まあたしかに四十のおっさんなんだけども。

もはや、若く見られたところでなにをどうしてああしたりこうしたりするでもないのだが、老けて見られるよりは若く見られた方が嬉しいことに今も変わりはない。

銀座の裏通りにある隠れ家イタリアンで赤ワインを飲みながら「こばやしさん、四十には見えないですよ。ぜんぜん若いですよ」と言ってくれたのはA子さんだった。最近離婚したばかりだが、クラブで知り合った某有名IT企業営業マンとの新たな恋愛進行中の三十歳。すれ違う男が十中八九チラ見するレベルの容姿端麗。

かたや、茅場町の激安居酒屋で生搾りグレープフルーツサワー280円を飲みながら「……(私の顔をまじまじと見て)それなりに四十ってこんなもんかなあと思います」と言いはなってくれた別の女性はB子さん。モノトーンな無印コーディネートに銀縁メガネで「いい男紹介してください」が口ぐせのこちらも三十歳。

それぞれの「四十に見えない」と「それなりに四十」という私に対する評価は、おそらく彼女たち自身の「見た目を気にする度合い」の表れなのだろうな、と思った。

仕事はそつなくこなしてさっさと切り上げ、モデルのヨンアを心の師と仰ぎ自分磨きに余念がないA子さんの「三十に見えない」と言われたい欲求と、毎日終電近くまで仕事をして週末は部屋の掃除・洗濯・寝だめで終わり、たまに出かけるといえば近場のららぽーと船橋なB子さんの「それなりに三十」と言い切る悟り。

四十歳となったいま、そのどちらもバランスよく取り入れていくことが大事なのだろうな。まずは「脱・疲れたおっさん」ということで今日からお風呂でほうれい線解消の変顔体操でもしてみよう。

ちなみに、私はどちらの女性に対しても「まだまだこれからの若い女子」という感情しかないのだが、とりあえずA子さんは貧乳で、B子さんは巨乳です。