あの日のパンティー
早朝、近所の親水公園を散歩していたら、ベンチに脱ぎ捨てられたような薄いピンクのパンティーがあった。
ぱ、パンティー!
なにかこう、ものすごく懐かしい胸の高鳴りを感じたのだ。
よく見てたら、実は薄いピンクのハンカチだったんだけど。
思えば中学生の頃の私は、確実にパンティーで興奮できた。
セックスなんてどうでもよかった。夢のまた夢のような、エロ本の世界にだけ存在している「非現実的な運動」みたいなものより、とにかくパンティーだった。
たかがパンティー、されどパンティー。
同級生女子のパンチラでメシ三杯食えた。
パンティーの響きだけで、強くなれる気がしたよ。
なのに、いまの俺といったらなんだ。パソコンを開けば「素人 人妻 無修整」で検索する日々。
あの日のボクちんが見たかったのはそんなものじゃなかったはずだ。
忙しい毎日にかき消されるように、ボクがいつの間にか忘れてしまったなにか……失われたなにか……越えられないなにか……
陳腐な歌詞に出てくる、あの「なにか」ってヤツは、きっとコレだったんじゃねーかな、って。
パンティーだったんじゃねーかな、って。
ハンカチだったけど。
これからしばらく、パンティーにこだわって生きてみようかと思う。
for beautiful panties life
今日ばかりは、最後までなにが言いたかったのか自分でもよくわからない。