ZOROPPE

いつもじぶんにごくろうさん

二年ぶりの焼肉

先週の土曜日、息子が朝からおばあちゃんと出かけたので、約二年ぶりに妻と二人きりでランチをした。

せっかくだからふだん子ども連れでは食べられないものを、とこれまた約二年ぶりに焼肉を食べた。陣痛促進には焼肉とオロナミンCが効く、などという迷信めいたことを見聞きした妻に付き合って食べに行き、はたして妻は次の日、これまで兆候すらなかった陣痛がいきなり始まったかと思うと六時間後には出産した、そのとき以来だ。

よっしゃ、二年ぶりの焼肉だ。たらふく食うぞ! と意気込んだものの、半人前食べたあたりから胸やけがしてきたので、夜はもう、ざるうどんくらいしか食えないなと思った。

私が子どものころ家族でファミレスに行くと、父はいつもチキンソテーを食べていて、子どもたちに牛肉のステーキを食べさせるために父はしかたなく安い鶏肉を食べているのだ、と当時は申し訳ない気持ちになったものだが、いま考えてみればむしろふつうにあっさりした肉が食べたかったのかもしれないなと思って、また少し大人になった気がした。

そのあと、妻と二人でイトーヨーカドーで買いものをした。

二人きりでスーパーの食料品売場を歩くのもひさしぶりでなんだか面映いので、ヨーカドー店内のあちらこちらにある芦田愛菜の看板とかポスターを指して妻に「こういううわべっつらだけの女に惚れるような男にならないようにしないとな」と育児論をぶってごまかした。

やっぱり夜はもう、ざるうどんしか食えなかった。