人間失格×3
先週から太宰治(『ヴィヨンの妻』『走れメロス』などの短編)を読んでいて、昨日はいよいよ『人間失格』を読みたくなったので本棚を探したら、なぜか三冊も持っていました。
上写真・右(新潮文庫)と中央(角川文庫)は高校時代、左は五年ほど前に買ったものです。
高校時代、太宰さえ読んでいれば女にモテると信じ込んでいたのは私のちょっとした黒歴史ですが、通っていたのは男子高でした。やんぬるかな!
一番古いものと新しいものを開いて並べてみると、紙のすすけ具合が一目瞭然。
一番古いものの奥付を見てみると、この本が刷られたのは昭和63年(1988年)ですから私が高校一年生のころでした。
郵便番号はもちろんのこと、東京の市内局番が三桁であることが時代を感じさせます(四桁化は1991年・郵便番号の七桁化は1998年)。
角川文庫版は「桜桃」も収録されています。
わたせせいぞう・画のイラスト帯がバブル時代の郷愁を誘います。
帯の裏を見ると、1990年(高校三年生)の夏ごろに買ったもののようです。
思えばこのとき私はまだ童貞で、その数ヶ月後、浅草の路地裏にあるうらぶれたホテルで、雷おこし屋に勤める女性と生まれてはじめてセックスをしようとしたら彼女がベッドでパンティを脱ぐやいなや「生理になっちゃった」というのでなにもできずに帰ってきたことなど知るよしもありませんでした。その日は、ママの顔さえも見れなかった……。
というわけで、読んだことのない人のために『人間失格』の冒頭の一文を載せておきます。
そろそろ、私も、過去の自分を顧みながら、手記をしたためる年齢に、さしかかっているやもしれませぬ。