正しい生活をします
これからは「正しい生活」をしていきたいです。
そのためにまずは、下ネタをやめたい。
なんですか「丁寧な暮らし」っていうんですか、そういうの、いままで「けっ」と思っていたクチなんですけど、いくら厄年だからとはいえ、こうも災難が続くとやっぱり自分のふだんのおこないが悪いんじゃないかと思えてきます。
だからまずは、この日記で下ネタをからませることをやめたい。
下ネタを大いにやめていきたい。
だいたいにして、下ネタはラクだ。下ネタは簡単に失笑を買える。下ネタはムリという人にははなから相手にしてもらえていなかっただろうが、これからはそういう人にも喜んでもらえるような、役にたってもらえるようなことを書きたい。
世にいう「正しい生活」を送って、正しい人たちから、正しいと言われたい。
四日間入院して、私はそんなふうに思ったのです。
昨日の退院後、前から気になっていた隣街の大衆食堂で正しいチャーハンと正しいタンメンを妻とふたりで食べました。
そのあと近所の美術館でアートに触れ、新緑まばゆい公園をぶらぶら散歩したりしました。
とりあえず帰宅してから若干エロサイトを見るなどしましたが、おおむねここまでで、私が正しくなったことは、みなさんにもご理解いただけると思います。
それから保育園へ息子を迎えにいきました。帰り道に仕事帰りの妻と合流して、息子の三歳の誕生日と、図らずも私の退院を近所のファミレス(焼きたてパン食べ放題)で慎ましく祝うのです。
乾杯のビールをひとくち、正しく胃に流し込んだ私はぽつりとつぶやく、
「ああ、正しい……」と。
妻は(なに言ってんだこいつ)という顔をしていましたが、かまわず私は続けます。
「これからは俺、正しくて丁寧な生活をするよ」
高らかに宣言しました。
妻は、正しいとはなにか、丁寧とはなにか、みたいなことをやいのやいの突っ込んできます。
しかし私は主張します。
「とにかく細かいことはどうでもいいのだ。俺が正しいと思ったらそれが正しいのだ。俺が丁寧だと思ったらそれが丁寧なのだ……」
すると妻はひと言、
雑だわ……
そうさ! 雑さ! だからこそ俺は正しく生きたい、丁寧に生きたいと思ったのさ!
人間がそんな簡単に変われるものか! まずは今日から、少しずつやれることからやろうと思っているのさ!
正しく……そして丁寧に……
だからもう、ちんちんとか言わずに、正しく丁寧に、おちんちんと言うことからはじめます。
おセックス。
ひー、タバコ吸いてえー!