ぱーぱー
なんでもかんでも口に入れてかじる息子のクセはあいかわらずで、しかも最近は下の歯が二本だけぴょいっと生えてきたので、指を噛まれるとかなり痛い。本気で「痛って! ばか!」と言っちゃうくらい痛い。
言葉にならない言葉のようなものもよく発声するようになりました。
なかでも「ぱーぱー」とよく言います。「あ、パパって言った! ねえ、聞いてた? 今パパって言ったよ!」なんて妻と一緒に笑い合いながら安いドラマのワンシーンみたいなことはさすがに……やります。
しかし、私たち夫婦はふだんからお互いを「とーちゃん、かーちゃん」と呼び合って息子に話しかけているので、私のことをパパと呼ぶはずがないのです。
おそらくそれはいつも教育テレビで見ている「ぱわわぷたいそう」の影響だろうということに気づきました。この体操はお兄さんが子供たちと「ぱーぱー」言いながら元気に踊るのです。
その名の通り「ぱわわっぷ(パワーアップ)する体操」なのですが、息子はこれを見るとだいたいじっと黙るか、寝ます。
私が毎日抱っこで手拍子しながら「ぱーぱー」歌っていたおかげで、息子も「ぱーぱー」言うようになったのでしょう。それか、妻と息子が私の知らないところで私の知らない男のことを「ぱーぱー」と呼んでいるのかもしれません。
今日は息子が生まれて初めてのクリスマス・イヴです。
記念すべきサンタさんデビューを「ぱーぱーぱわぱわぱーわっ!」と張り切りたかったのですが、夫婦そろって風邪でダウンしているうえに、さっき息子が高熱を出して医者に行ったり薬飲ませたりでそれどころじゃなくて、もうさっさと鶏肉かじって寝ます。