俺のアベノミクス

先日、散歩帰りに立ち寄ったコンビニで息子が「食べたい！ 食べたい！」と言ってきかないのでしかたなく買って帰ったたいして美味そうでもないドーナツ。

それを見て妻が「300円もしたの？」とぽつり。

ここのところ、なにかにつけて節約、節約な妻。育ち盛りの三歳児持ちのサラリーマン家庭の切り盛り役としてはいたしかたのないところだと思うが、なんだかカチンときた私は「だったら俺の来月の小遣いから300円引いていいよ」と吐き捨てて、その日はそのままふて寝したものだ。

そして今日は、今年度昇格して最初の給料日だった。

昼休み、まずまずの昇給額に内心ほくそ笑みながら「寿司でも行くか！」と妻に報告メールしたら、嬉し泣きの顔文字付きでたいそう喜んでいる内容の返信があった。

しかし、よくよく明細を見てみたら、三ヶ月に一度支給される通勤手当込みの額面にぬか喜びしてしまったことに、さっき気がついた。

世の中、金がすべてではないことも、人と比べることが無意味だということもわかってるつもりだ。

とはいえ、今朝、いうことをきかない息子を一喝したところ、泣きながら「お父さん、好きでない！」と言われたショックが尾を引いているのも相まって、男四十、顔で笑って心で泣いて、今夜はなんだか家に帰りたくない、そんな俺のアベノミクス。

今日の私みたいな男は、どんどん風俗業を活用したらいいと思う。